高畠華宵生誕120年
幻の原画発見!
華宵・夢二と
『少女の國』のさしえ画家たち

2008年 9月13日(土)〜12月7日(日)
於:高畠華宵大正ロマン館

::企 画 趣 旨::

 本展は夢二原画35点、華宵原画9点を含む少女雑誌『少女の國』の原画約100点を展示する展覧会です。これらの作品は、その所在が不明なままでしたが、近年それが明らかになりました。美術館で本格的に紹介されるのは初の機会となります。

  少女雑誌『少女の國』は、発行期間が2年という短命ながらも、大正から昭和にかけて数多く発行された少女雑誌の中で異彩を放っています。『少女の國』の発行元は小さな出版社でしたが、高畠華宵、竹久夢二、岩田専太郎、加藤まさを、須藤しげるといった当
時一流の抒情挿絵画家たちを抱え、ヴィジュアル面で質の高い雑誌を発行しました。

  雑誌は消費されるメディアであり、原画を保存するという意識は希薄でした。それゆえ、これだけまとまった形で一つの雑誌の原画が発見されることは非常に珍しく、挿絵画家たちの制作過程が窺える貴重なものであります。

  原画に触れて頂く本展が、通常印刷物で接することの多い挿絵画家たちの直筆の絵画的迫力を伝える機会となれば幸いです。


::展 示 内 容::

<展覧会の見どころ1>
  大正から昭和にかけての雑誌原画の世界

 雑誌は消費されるメディアであり、また挿絵の地位が低かった大正から昭和にかけての時代は雑誌掲載の図像原画に対して保存の意識はとても低いものでした。そのような理由から雑誌の原画は現在あまり残されておらず、非常に貴重なものといえます。

  今回の展覧会では、雑誌原画を約100点展示し、挿絵画家たちの鮮やかな筆さばき、息づかいを直接に感じて頂く機会となることを期待しています。

幻の雑誌『少女の國』
 今回の展覧会で取り上げる原画の多くが掲載されて雑誌『少女の國』は、発行期間が2年と短く、全国の図書館、文学館においても現存数は少ないものです。全部で24冊発行されたと考えられますが、現存が確認されているのは、14冊のみです。本展覧会ではそのうちの7冊を展示します。

  『少女の國』には口絵に折線をつくのを避けるために折込みを廃止するなどのヴィジュアル面へのこだわりが見られ、雑誌文化のなかで独自性を模索した過程をたどることができます。





<展覧会の見どころ2>
  
挿絵画家の競演 〜華宵・夢二・専太郎・まさを・しげる〜


 今回展示する原画の作者たちは、少女雑誌の世界では、それぞれが雑誌の顔にな
る人物ばかりです。そのような挿絵画家たちが小さな出版社から発行されていた『少女の國』で一堂に会しました。一口に少女と言っても彼らの少女はそれぞれ特徴が異なり、『少女の國』はとてもレベルの高いヴィジュアルで構成されると同時に、色々なタイプの少女像を提示しました。彼らの作品を概観することで大正時代の少女像が見渡せます。

モダン・ガールの精華
高畠華宵(たかばたけかしょう、1888−1966)
  『少女の國』の表紙を手がけました。(創刊号から終刊まで全て手がけたと考えられます。)『少女の國』が刊行された大正15年、華宵は人気の絶頂期を迎えており、挿絵画家として『少女の國』のヴィジュアル面を牽引しました。
 

少女の純真
竹久夢二(たけひさゆめじ、1884−1934)
 晩年にさしかかった頃の夢二が描いた『少女の國』の挿絵は、軽やかな筆致の円熟味を見せるとともに、少女に対する優しいまなざしを変わらず読み取れます。出展作家中最多の原画35点を展示。





<展覧会の見どころ3>
  
挿絵画家の競演 〜華宵・夢二・専太郎・まさを・しげる〜

大人の憂いと色気を漂わせた少女
岩田専太郎(いわたせんたろう、1901−1974)

後に司馬遼太郎「龍馬がゆく」、横溝正史の小説挿絵などの大人向けの挿絵で活躍する専太郎の少女向け抒情画を展示します。少女雑誌向けの作品のなかにも大人の憂いなどをすでに見てとることが出来ます。




少女の儚さ
加藤まさを(かとうまさを、1897−1977)

 抒情画のなかでもとりわけ儚げな少女像を得意としたまさを。立教大学英文学科卒業という挿絵画家としては異例の経歴を持つまさをは、文学にも才能を発揮し、「月の砂漠」の詩を書いたことでも知られています。『少女の國』においても、自作の詩を掲載しています。

少女の凛々しさ
須藤しげる(すどうしげる、1898−1946)

 凛とした都会的な少女を描いたしげるの抒情画。『少女の國』の世界をよりスタイリッシュにしました。





その他の画家たち
 伊藤幾久造や田中良のほか、現在では無名の挿絵画たち(呉羽麓郎、寺本琴風、久保田清春、朝島ひろし)なども紹介します。

*少女の誕生と拡がり
「少女」という存在は、大正時代に大きくクローズアップされました。明治30年頃にメディアに登場したといわれる「少女」ですが、明治32年の「高等女学校令」公布をきっかけに、明治30年代から「少女」というもいが掲げられた雑誌(『少女倶楽部』『少女画報』『少女の友』など)の発行が雨後の筍のように続きました。その後、大正から昭和にかけて、女学生は大幅に増加し、雑誌を舞台に少女たち特有の文化を形成していきます。現在も「少女文化」は存在していますが、そのルーツは、大正期に求められます。

特別展示

華宵の油彩美人画 <初公開>
初展示の油彩画作品


高畠華宵の油彩美人画作品を初公開展示します。
油彩の美人画はこれまで確認されておらず、非常に珍しい作品の公開となります。
(「高畠華宵生誕120年特別展 幻の原画新発見! 
華宵・夢二と『少女の國』のさし
え画家たち」展の会期中)

高畠華宵と油彩画
華宵は、メディアアート、日本画の印象が強いですが、京都での絵の修行中には、京都市立美術工芸学校で日本画を学び、浅井忠設立の関西美術院で西洋画の勉強もしていました。和魂洋才を目指していたのです。
しかし、実際はあまり油絵を制作していなかったと思われ、華宵の洋画についてはこれまでほとんど顧みられてきませんでした。今回の油彩美人画が公開されることで、華宵の画業の新たな一面に光があたります。



展覧会名 高畠華宵生誕120年特別展
幻の原画新発見! 華宵・夢二と『少女の國』のさしえ画家たち
会  場 高畠華宵大正ロマン館
会  期

2008年9月13日(土)〜12月7日(日)

開館時間 午前10時〜午後5時
*9月27日(土)はイベント開催のため、通常の開館時間を午前10時から午後2時までとします。
休館日

水・木曜日

入館料 一般(中学生以上800円/小学生300円
身体障害者手帳をお持ちの方 600円
団体(20名以上)600円/「華宵会」会員400円
主  催 高畠華宵大正ロマン館
後  援 大正イマジュリィ学会
展示点数 雑誌原画約100点/その他関連作品、資料
関連イベント *ミュージアム・コンサート
「センチメンタル・ジャーニー 〜ギターとリュート〜」
*大正の少女文化講座
「大正ロマンごっこ 少女の茶話会」
特  典 華宵の誕生日4月6日にちなんで、6の付く日にご来館頂いた方にプレゼントを差し上げます。

関連イベント1

ミュージアム・コンサート
センチメンタル・ジャーニー 〜ギターとリュート〜


日時:9月27日(土) 午後3時開演 (午後2時半開場)
演奏:青木一男 (ギター・リュート)
曲目:小さい秋みつけた(中田 喜直) 乙女の祈り(バダルジェフスカ)/亜麻色の髪の乙女 (クロード・ドビッシー)/ アルハンブラ宮殿の思い出(フランシスコ・ タレガ)/ ラグリマとアデリータ(フランシスコ・タレガ)/ニーナの死(バッティスタ・ペルゴレージ)/ アストーアス(イサーク・アルベニス)/ この道(山田耕筰)/ 早春賦(中田章)/浜辺の唄(成田為三)/大正期の童謡メドレー/ふるさと幻想曲(岡野貞一)/ 荒城の月変奏曲/第3の男(アントン・カラス)/コンドルは飛んでいく(ペルー民謡)
*曲目は変更になることがあります。

参加費:2000円(展覧会入館料込み)
*高畠華宵大正ロマン館受付にて販売/予約優先
*当日は、コンサート開催のため、通常の開館時間を午後2時までとします。

青山一男 略歴
1956年松山に生まれる。14歳からギターを始め、森哲也・平松照英・貞本昌規氏に師事。東京にて久坂晴天、渡辺範彦氏に数回師事。松山大学卒業後、スペインへ留学。マドリッドにてホルヘ・アリサに師事。市立アリカンテ音大で世界的な巨匠(セゴビヤ門下)ホセ・ルイス・ゴンザレス、ホセ・トーマス氏に師事。アリカンテ国際ギターセミナー参加。スペインでは各地でリサイタル・ラジオ出演。帰国後、松山市を中心に演奏活動を行い、過去、愛媛県下でリサイタル。
愛媛新聞社カルチャー教室楽しいギター教室講師。愛媛社会保険センターギター教室講師。1996年自主制作カセットテープ「我が心のスペイン」発売。好評を博す。1997年より中世の楽器「リュート」演奏を開始。1997年11月愛媛県民文化祭のオープニングを務める。2002年電子オルガンとアランフェス協奏曲を演奏。2004年東京コンサート開催。ギター・リュートによる幅広い演奏活動を展開中。年間リサイタル数回。2004、2005、持田キリスト教会でのバッハリサイタル。現在、テレビ・ラジオ局(RNB・EBC)、施設、学校訪問他と活躍中。(青木一男ホームページhttp://home.e-catv.ne.jp/gtaoki/ より)


関連イベント2

大正の少女文化講座
大正ロマンごっこ 少女の茶話会


日時:10月25日(土)/11月22日(土) 午後2時〜3時半
講師:小嶋洋子(高畠華宵大正ロマン館学芸員)
内容:大正時代の少女たちの過ごし方を知る参加型講座です。大正15年10月3日に
実際に行われた『少女の國』読者向け茶話会の内容をもとに、少女たちが好ん
だ音楽、本の朗読、言葉使いなどを実際に体験します。講座受講者には「ロマ
ンちゃん会」認定証をお渡しします。
例えば A: 実際に当時の雑誌を手に持って、少女の切実な思いがいっぱい詰まった投稿欄など の記事を読んでみます。
B: 復刻華宵便箋」に大正の少女たちが好んだこんなシチュエー ションに身をおいて手紙を書いてみます。
@お嫁にいくお姉様へ伝えたい思い
Aサナトリウムで過ごす私からお友達へ届けたい思い
B大人になりたくない私自身へ語りたい思い
C: 当時女学生たちが使っていた「女学生言葉」を話してみます。
D: 館内撮影会 など

参加費:お茶代500円+展覧会入館料800円
ドレスコード:リボンをどこかに着用すること
大正時代風お着物着用でのご参加には当館から素敵なプレゼント
その他:男性も参加出来ます。予約優先(定員20名)
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ちなみに大正15年に実施された『少女の國』茶話会の内容は・・・
(『少女の國』大正15年12月号より抜粋)

午後1時 原画鑑賞: 
廣間には諸畫伯の原畫が數十點展覧されてあつて、
其處でも此處でも『まあ、いゝわねえ』 の聲が聞えるのでした。

午後2時 レコード鑑賞: 
名曲のよさに聞きほれる事が出来ました。

午後3時 茶話会: 
粗末ながら茶果水菓子をおすゝめしました。
それから又廣瀬氏が起立して、朝島ひろし先生、城しづか先生、
百田宗先生、筒井敏雄先生をご紹介する。それぞれご挨拶がありました。
それから少女の國社員の勝矢剣太郎氏が洋行中の感想談をなされた。

午後4時 記念写真撮影: 
屋上庭園へ登り、其處で一同の記念寫眞を撮影しました。
名刺交換/鬼ごっこ/お土産は抒情封筒と抒情便箋
それから皆様の名刺交換などがあって…鬼ごっこなどして、
歸りには本社よりのお土産の抒情封筒と抒情便箋を差し上げました。

*大正時代はまもなく100年前の時代になります。
記憶の隅に追いやられていく大正の精神・日常・生活感情・好み・
趣味などを今に伝え、理解して頂ける目的とし、この企画を行います。



(展覧会詳細、休館日等についてはお問合せ下さい)

高 畠 華 宵 大 正 ロ マ ン 館
791-0222 愛媛県東温市下林
 ■TEL 089-964-7077 ■FAX 089-964-7222 
museum@kasho.org